(3)障害者権利条約2条の条文の構成要件要素は次のとおりである。「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって特定の場合において必要とされるものであり、かつ均衡を失した又は過度の負担を課すものをいう。」とある。正に申立人にこの条文の構成要件要素は該当する。
いうまでもなく、障害者権利条約は憲法98条2項によって国内法であり憲法76条の「法律」であるから裁判官を拘束することとなる。
原判決は除斥期間を適用することが障害者権利条約の定める「合理的配慮」を欠くものであるという申立人の主張は次のように排除する。「民法724条は障害者のみに適用される規定ではないから合理的配慮を欠く差別には該当しない」と。国際人権法を理解しない理由不備と言わざるを得ない。
申立人が問題としているのは同上を適用した結果、救済を得られなくなる申立人が同上を適用されない健常者との関係で生じる差別を問題としているのである。上告審において法的判断をいただきたい。
2 個人請求のしめ出しと被上告人を代表した菊池孝生の代表権の存在
(1)森永砒素ミルクの飲用者に関する特集をしたテレビ番組内において、被害者弁護団の弁護団長であった中坊公平弁護士と対峙する形で、相手方の特別顧問である菊池孝生氏が「ひかり協会ができてから、ずうっと時効の中断がおこなわれているわけですから、国や会社の姿勢が変わったら、守る会側はいつでも裁判が起こせる」と述べている。
菊池孝生氏は、1997年(平成9年)に相手方の専務取締役を退任後、2011年(平成23年)6月14日に相手方の関連会社の代表取締役に就任するまで、相手方の特別顧問・渉外担当の役職を任ぜられていた人物であるうえ、被害者山田暢子氏の父母とひかり協会との協議にも同席し、協議の議事録も被告を代表して唯一名を連ねていた人物である(甲73)。
公共のテレビ番組のテロップに「森永乳業 特別顧問 菊池孝生」と表示されたうえでの同人の発言は、同番組の趣旨・内容に照らしても、相手方を代表する発言といわなければならない。
また、代表権の有無を措くとしても、上記経歴の菊池孝生氏によるテレビでの上記のような発言をもとに、未曾有の被害を受けた一個人である申立人が巨大企業である相手方に対して訴訟提起をしているにもかかわらず、相手方がそれまでの経緯を無視して除斥期間の経過を主張することは、権利の濫用ないし信義則に反するものと言わなければならない。
この点、原判決は、上記テレビ番組を当時見ていた被害者が菊池氏の発言をどう受け止めたかという視聴者の視点を全く欠いたものである。
上記発言が被害者に与えた影響を真に理解するならば、原判決の除斥期間の適用についての法令解釈ないし適用に誤りを認め、相手方の除斥期間の主張を排斥する判決がなされる可能性は相当程度存在する。
少なくとも、本件上告ないし上告受理申立において、勝訴の見込みがないとは言えず、申立人に対する訴訟救助がなされるべきである。
なお、控訴人は、原審準備書面9において、会社法354条の類推適用(表見代表取締役責任の類推適用)も主張しているが、原判決はこの点についての判断を何ら示していない。原告側弁護団 『訴訟上の救助の申立書』より
太文字化は岡崎による
ここにきて、読者には驚きの事実だろうが、被告は、自らテレビ放送で、時効の停止を公言しているのだ。おそらく、被告企業は、被害者は首根っこを抑えられ一切抵抗できないと、タカをくくっていたのだろう。
しかし、いかなる不純な動機があったとしても、自ら社会に向けて大々的に公式発言したことは、決定的な効力をもつ。
したがって、時効も、除斥も適用できない。 被告自ら、そんな必要はない、と断言しているわけだから。
むしろ大阪地裁と高裁が、被告に有利になるように、論理的に困難な法理を展開することに腐心している。
それは法律の素人が見ても明瞭にわかる。上級審で根本的に是正されない限り、歴史に永遠に記録されるだろう。
【参考記事】最高裁への問題提起①
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1.WHO [世界保健機関] 搾取的粉ミルクマーケティングの衝撃的レポート [1] [2] [3] / WHOが乳幼児食品業界に対し搾取的粉ミルクマーケティングの中止を要求 [1] 粉ミルクとタバコは、国際的な販売禁止の勧告がある唯一の二つの製品である [ 2 ] [3] / 2.United Nations University Press [国際連合大学出版] 技術と産業公害> 森永ヒ素ミルク中毒事件 [English Version] [1] /3.Report of Morinaga Arsenic Milk Poisoning Incident [English Version] [1] [2]
©森永ヒ素ミルク中毒事件資料館
©Museum of Morinaga Arsenic Milk Poisoning Incident