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【激震欧州─続報②】欧州グローバル企業の粉ミルク60か国でリコール。米国ではボツリヌス菌中毒…。

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【激震欧州─続報②】欧州グローバル企業の粉ミルク60か国でリコール。米国ではボツリヌス菌中毒…。

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森永ヒ素ミルク中毒事件資料館  岡崎久弥

森永ヒ素ミルク中毒事件資料館 岡崎久弥

2026年2月11日 14:17

新しい事実が続々と

 欧州の事態は、森永ヒ素ミルク中毒事件の推移をなぞるように進んでいる

 特に、乳業メーカーから、フランス小児科学会への資金提供が露見し、非難されている。この利益相反の医師は、フランス小児科学会の副会長で、メディア対策で火消しにまわっている。

 また、同時に、ネスレは、セレウス菌由来の症例を否定し始め、小売店は証拠隠滅行為と思われる動きをしている。オーストリア当局がそのような指導をしている。

 岡山大学の浜本英次教授、阪大の西沢義人教授ほど悪質かどうかは不明だが、似たような「御用学者」がフランスにも既に登場していたということだ。

1.乳業によるフランス小児科学会への資金提供が露見

les industriels biberonnent les pédiatres aux conflits d'intérêts.   

企業が小児科医に利益相反を助長している。  

『ル・カーナール・アンシェネ』誌 2026 年 2 月 3 日
 ファニー・ルズ=ギンドス、ルイーズ・コルバート

 ネスレ、ラクタリス、ダノンといった企業は、売上を伸ばすため、医師たちに数千ユーロもの助成金を惜しみなく提供している。その幸運な受給者の一人に、フランス小児科学会(Société française de pédiatrie)副会長のトゥニアン教授がいる。彼は汚染された牛乳を飲んだ乳児の死亡事件を受け、メディアへの対応で先頭に立った人物である。

 ネスレ、ラクタリス、ダノン、ヴィタジェルミン… フランスの粉ミルク大手メーカーは、一部の製品にセレウリド毒素が含まれていることを発表した。この毒素は深刻な消化器系の問題(下痢、嘔吐など)を引き起こす可能性があるため、6ヶ月未満の乳児向けの製品をリコールした。

 1月にギゴズミルクを飲んだ乳児が死亡した事件を受け、アンジェとボルドーで刑事捜査が開始された。身元不明者を告訴したドイツのNGO団体「フードウォッチ」は、メーカーが疑わしい製品のリコールに消極的だったと非難している。

 こうした危機的状況にもかかわらず、小児科医たちは国民の不安を解消しようと努力している。その先頭に立っているのは、フランス小児科学会副会長のパトリック・トゥニアン教授だ。(Parmi les heureux élus, le professeur Tounian, vice-président de la Société française de pédiatrie, que l'on a retrouvé en première ligne pour répondre aux médias après la mort de nourrissons ayant bu du lait contaminé.)
 トゥニアン教授は保護者に対し「パニックにならないように」と呼びかけ、「メーカーが極めて慎重に対応している」と歓迎している。(Franceinfo)。

 注目すべきは、トゥルソー病院の小児栄養・消化器科の責任者が、問題のメーカーをよく知っていることだ。(Il faut dire que le chef du service de nutrition et de gastroentérologie pédiatriques de l’hôpital Trousseau connaît bien les industriels en question. )2025年1月17日、フランス心臓病学会ヨーロッパデーにおいて、トゥニアン教授は率直にこう述べた。「私の利益相反は、主に乳児用調製粉乳メーカーとの関係にある。」

(※注 トゥニアン教授はトゥルソー病院の小児栄養・消化器科の責任者。同病院は、トゥニアン教授を以下のように紹介している。

「パトリック・トゥニアン教授がパリのトルソー病院へようこそ。 トゥニアン教授はトルソー病院の小児栄養・消化器科の責任者です。 トゥニアン教授は、小児および青少年の栄養疾患(肥満、肥満手術、痩せ、栄養失調、摂食障害、脂質異常、食物アレルギーなど)および消化器疾患(胃食道逆流症、食道疾患、胃炎、十二指腸潰瘍、セリアック病、慢性炎症性腸疾患、慢性下痢、便秘、肛門病変など)を専門としています。 彼は同僚から紹介された子どもだけを受け取っています。」

 トルソー病院はAP-HP、つまりパリ公立病院連合に所属している。同機構の加盟病院は民間病院だが、公的資金が投入されている場合がある。400年の歴史を誇り「24時間365日どのような環境の人たちも平等に受け入れる」とあるが、この教授のように、乳業から資金を提供され、紹介者しか診ない医者もいるようだ。

 森永ヒ素ミルク中毒事件資料館:岡崎調べ
 なお資料館はトゥニアン教授の詳細な履歴を入手し分析中。

  • 粉ミルク業界が、小児科医に金銭的特典やその他の優遇措置を提供し、製品推奨に影響を与えている疑い。専門家の推奨が、本来の栄養学的な視点ではなく、商業的な利益によって歪められている可能性があるとの懸念。Société française de pédiatrie (フランス小児科学会) の特定の教授が言及されている。 

【風刺画解説】「利益相反の香りのするミルク ネスレ」「メーカーは小児科医に提供している」 つまり、乳児用粉ミルク業界が小児科医に金銭を提供し、製品の宣伝を行っているという利益相反行為を風刺している。 

2.訴訟

 オランダの消費者団体フードウォッチは、フランスのパリで、世界的な汚染危機への対応を理由に、ネスレ、ラクタリス、ダノン、ヴィタジェルミン(ベビービオ)、ホッホドルフ、ラ・マルケ・アン・モワン、グラナローロの7社の乳児用粉ミルク製造業者を刑事告訴した。フランスの手続きに基づき「X社」に対して提出されたこの告訴状は、食品安全当局を含む捜査の拡大につながる可能性がある。

 これまでに被害を受けた8家族が苦情に加わったと伝えられている。

 ネスレはフードウォッチの説明に反論し、自社の検査によって「業界で初めてこの問題を検知した」と主張している。フードウォッチが主張するように、中国のサプライヤーからの通知によるものではない(フランス当局の情報筋を引用)。
 ネスレは、汚染を確認した後、「迅速に対応した」と述べ、自社製品に関連する疾病を裏付ける医療報告は受けていないと主張している。CEOのフィリップ・ナブラティル氏は1月中旬に公式に謝罪し、当局に対し「完全な透明性をもって協力している」と述べた。

タイムラインの精査

 フードウォッチの訴訟において、遅延は中心的な問題だ。同団体の調査によると、現在リコール対象となっているラクタリス製品は、回収の1年前の2025年1月から販売されていた。一方、ネスレとダノンの製品は、リコールが発令される数ヶ月前から販売されていた。

「ネスレとダノンがこの食品を何ヶ月も、ラクタリスの場合は1年も販売していたというのは、まったくもってスキャンダルだ」とクラグル氏は言う。リコールにより、60か国以上で親たちがバッチ番号を確認することになった。

 フードウォッチと被害を受けた家族を代理する弁護士、フランソワ・ラフォルグ氏は、製造業者の責任は「我々には明白だ」と述べ、さらにこう付け加えた。「これらの製造業者が、自らに課せられた食品安全義務を知らなかったはずはありません。乳児の健康に関わるこの件において、我々は最大限の厳正な判断を求めます。」

 ラフォルグ氏は以前、2018年にサルモネラ菌に汚染された乳児用粉ミルクをめぐってラクタリス社を訴えた訴訟、2022年に大腸菌に汚染されたブイトーニ・ピザをめぐってネスレ社を訴えた訴訟でフードウォッチの代理人を務めたことがある。両社はその後起訴された。

3.証拠保全を──証拠隠滅に動く利害関係者

 「フードウォッチ」は、一部の小売業者やブランドが、消費者に箱を捨てるか返却するよう指示していると警告し、保護者らに製品のパッケージや残った粉ミルクを捨てないよう呼びかけている。

 同団体によると、ネスレのギゴズブランドは親たちにパッケージの返却を求めたが、フードウォッチは、この慣行は検査や法的手続きに必要な証拠に危害を加える可能性があると主張している。

 「粉末は証拠として、また検査のために必要になる可能性がある」と同団体は述べている。子どもが対象製品を摂取した疑いのある保護者は、パッケージをすべて保管し、症状が現れた場合は医師の診察を受ける必要がある。

4.規制失敗の疑い

 欧州食品安全機関(EFSA)は昨日、リコール対象製品に関連する疾病報告を受けたことを確認する声明を発表した。

 欧州委員会は現在、EFSAに対し、乳児におけるセレウリドの急性参照用量(汚染レベルがどの程度であれば製品を回収すべきかを判断する閾値)の設定を要請している。ガイダンスは、最初の回収開始から約2か月後の2月上旬に発表される予定だ。

 フードウォッチの苦情は、各国の食品安全当局にも及んでいる。ネスレは12月9日にオランダの食品安全当局NVWAに汚染を報告した。しかし、フードウォッチが12月15日にこの件について質問したところ、NVWAは「オランダとベルギーでは流通は行われていない」と回答した。 

 1月5日までに、オランダ製品はリコール対象となった。その後、NVWAはネスレの追跡調査により、汚染は複数の製品に影響を与える原材料に起因することが判明したため、リコール対象範囲が変更されたと説明した。

 フードウォッチはまた、ネスレのオランダの施設で汚染が確認されたにもかかわらず、なぜオランダではなくイタリアが12月12日にEUに最初の警告を出したのか疑問視している。

 シンガポール食品庁は、「セレウリドへの曝露に関連する可能性のある軽度の症状」を示す症例を1件確認し、「セレウリド中毒を確認する決定的な臨床検査はない」と指摘した。

 ブラジル当局は、リコール対象の粉ミルクを摂取した後、乳児2人が「持続的な嘔吐と下痢」を経験したことを確認した。これは、ネスレのフィリップ・ナブラティルCEOが「確認された症例はない」と主張するビデオを公開した同日発表された。

 フランスでは、当局が乳児の死亡について調査を行っている。フランス保健省はラジオ・フランスに対し、「死亡がミルクの摂取に起因するかどうかは立証されていない」と述べた。 スカイニュースによると、英国でも乳児がリコール対象のSMA粉ミルクを摂取した後に髄膜炎で入院した。

5.健康被害を否定し始めたネスレ

 ネスレは「セレウリドは髄膜炎を引き起こさない」と述べ、その関連性に異議を唱えている。

 これについては、当館が調べたところ、免疫不全の患者や新生児において、髄膜炎やその他の症状としてあり得る。

  • 高リスク群: 特に新生児(特に早産児)、HIV感染者、血液腫瘍患者など、免疫が低下している人がリスクの高い集団。

  • 症状: 急激な発熱、頭痛、項部硬直、昏睡、けいれんなど、一般的な細菌性髄膜炎と同様の症状が見られ、脳膿瘍を合併することもある。

  • 高い死亡率: セレウス菌による中枢神経系感染症は、治療が難しく致死率が高いことが報告されている。

5.「感染者なし」のミスリード

 ネスレの主張は、構造的に確認不可能だと、批判を招いている。

 ラジオ・フランスによると、フランスでセレウリドの検査ができる研究所は1つしかなく、アクセスには官僚的な承認が必要であり、患者の検体から毒素を検出できる研究所はない。

 「赤ちゃんは3時間ごとに哺乳瓶でミルクを飲むので、この毒素に汚染されたミルクを長期間摂取すると中毒のリスクが大幅に高まります」と食品安全弁護士のナタリー・グータランド氏は同メディアに語った。

 オランダに拠点を置く食品監視団体フードウォッチは、ネスレの透明性が「著しく欠如している」と非難した。「12月にはわずか9カ国しか影響を受けていなかったのに、なぜ2026年1月になってようやく60カ国が影響を受けていると分かったのでしょうか?」と、フードウォッチ・オランダのディレクター、ニコル・ファン・ゲメルト氏は述べている。

 「現実的な結果がなければなりません。企業を真に抑止する強力な制裁と罰則がなければ、このような失敗は今後も繰り返されるでしょう」と彼女は以前、Food Ingredients First に語っていた。

6.追跡が進むにつれ被害が明らかに


汚染された粉ミルクを飲んで病気になった英国の乳児36人

スペインの親御さんへの警告:毒素への懸念で5人の赤ちゃんが入院し、粉ミルクがリコールされる

汚染されたミルクで病気になった疑いのある香港の幼児

香港でリコールされたネスレのベビーミルクのさらにサンプルから毒素の痕跡が検出されました

香港、毒素汚染懸念からAptamilの粉ミルクバッチをリコール

https://www.babymilkaction.org/archives/50311

https://www.babymilkaction.org/


 粉ミルクは市販の食品とは根本的に異なる。
 乳児は、栄養源を100%、粉ミルクに依存している。したがってどんなに厳しく規制してもやりすぎということはない。

 粉ミルクの原料や添加物がどんなものなのか、その供給ルートについて消費者がいかにしらないか、そして製造材料の追跡がいかになされていないか、について、今回の事件は衝撃を与えている。
 加えて、企業の認証は内部的なものであり、いざ緊急事態となると、その無内容さに消費者は衝撃をうける。

 被害規模はまだ全く不明だが、利害関係者の動きは、森永ヒ素ミルク中毒事件の推移をなぞるように進んでいる。

(つづく)

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森永ヒ素ミルク中毒事件資料館  岡崎久弥

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1955年、原乳の腐敗を隠すため産廃由来のヒ素混入物質を投入した森永乳業の粉ミルクで130人以上の乳児死亡、1万3千人の患者。反省なき森永は国を使って20年に亘り救済運動を弾圧。不買運動で倒産寸前となった森永は渋々救済案に応じるが、以降も不正な工作を続け2022年再び提訴された。

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